贈られた歌集「山法師」より
石本照子さんより歌集「山法師」を頂きました。
山法師の画が美しい歌集です。
風に透け光に透きて枝高しくれない尖る桜冬芽は
二部屋を行ったり来たりの一日に紙飛行機を先にとばせて
赴任する人を囲みて花の下並び直していくたびも撮りぬ
花を包む苞と言われても 山法師風に翻りひるがえる白
かき氷くじ引き焼きそばビールありビンゴで果てる自治会の夏
さし交す編目のような冬木立 日の移りゆくロビーに待てり
この世のこと荷重く持てる友一人生きていたいと言いつつ痩せて
200g軽くなりたるバッグ持つ折りたたみ傘いらぬ秋の日
くれないの光に映えて里山の稜線しばしふくらむ夕べ
髪の毛のように記憶がぬけ落ちるそういう自分とつき合い生きる