mother lakeのほとりにて

短歌のこと、身のまわりのことを

「塔」2月号より

自分の作品です。

 

窓に向き横一列にパンジー植うパジャマの上にカーディガン羽織り

チューリップ植うパンジーの向う側おそらく花の見られぬはずの

この花の咲く頃吾は元気かと問うて詮なきことを思ひぬ

真夜中にもの食ふひとと一メートル離れ眠れぬ夜を過ごしぬ

戻り来てそれぞれの夜過ごしけり明後日は病院と思ふ

シーグレン症候群といふ病薬もなくて名のみ知らるる

病ゆゑ病むをかなしむ一向に出口の見えぬ秋は短し