mother lakeのほとりにて

短歌のこと、身のまわりのことを

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「塔」一月号より

自作品を。 ひもすがら幼子のごと塗り絵する病室の吾誕生日の吾 一年の花々順に塗りていく色鉛筆の薄き哀しみ 眠れぬが鬱なると聞き吾が病初めて知りぬ吾がこととして 外泊を明日に控へて計画すまづはクッキー買ひに行きたし 吾が留守の夫の食事を思ひをり言…

栗木京子さんの歌集「ランプの精」より10首掲載させて頂きます。 きさらぎの月に暈(かさ)あり人恋ふるこころはいつも生乾きにて ささやかな約束なれど守りくるる人と見てをり海にしづむ陽 ゆつくりと髪乾かしてくるる母ゐることわれの今日の哀しみ 半身を…