mother lakeのほとりにて

短歌のこと、身のまわりのことを

「塔」一月号より

自作品を。

 

ひもすがら幼子のごと塗り絵する病室の吾誕生日の吾

一年の花々順に塗りていく色鉛筆の薄き哀しみ

眠れぬが鬱なると聞き吾が病初めて知りぬ吾がこととして

外泊を明日に控へて計画すまづはクッキー買ひに行きたし

吾が留守の夫の食事を思ひをり言へども料理覚えぬひとの

耳穴に呼気の響きて耐へがたき耳管開放症説き難し